Karenさん
2016年度
Interior Design科 大学院入学
留学を志し、受験を終えるまで振り返ってみてどうでしたか?
NYの留学を決意するまでに、私は本当に長い間の葛藤がありました。世の中の流れに逆らって多くの人と違う道を進むのはとっても勇気のいることです。高校時代から海外のアートスクールには憧れがあったものの、当時は挑戦する勇気が出ず、日本の大学に進学しました。卒業間際に、これ以上この夢を先延ばしして、いつそれを叶えるの?と自分に問いかけたとき、自信を持って「何年後」と答えることができませんでした。一度社会に出て企業に就いてしまったら、途中で辞めてキャリアチェンジをするきっかけを作るのは、私の性格上なかなか難しいだろうなと。引き続き親や周りの大人たちを頼る生活にはなるけれど、今ほど挑戦するのにパーフェクトなタイミングはないな、と確信しました。併せて、色々な先輩や友達に相談を重ね、留学するなら英語を学びに行くのではなく、何か学問を学んできなさいとアドバイスされ、ずっと心のどこかで興味があったけど手が伸ばせずにいたアートやデザインの分野での留学を決めました。日本の大学では住宅建築をやっていたので、それに近いインテリアデザインなら私にも少し踏み込めるチャンスはあるかもしれないと思ったのです。
留学先は?となったときに、頭にはNYしかなかったです。自分の興味のあるすべての分野の最先端といったら、NY以外に惹かれる都市はなかったです。日本にいるときから聞いたことのあった、FITやPARSONSに運よく入学できたらな~なんて軽い気持ちで、「ニューヨーク アート デザイン 留学」のような思い浮かんだキーワードを入れたときに出てきたのが、PI ART CENTERでした。何回もホームページをみて、ここに行けばその先の美大への入学の手掛かりがつかめるかもしれない!と思い、最初に担当の中沢さんにメールで沢山質問をしたのを覚えています。
PIには9月に入学して翌年の1,2月に大学院の出願をしました。最初はAdvancedのクラスを受けていましたが、出願が終わった頃にちょうどセメスターが変わったので、Introのクラスに切り替えて、4月末まで通っていました。私は全てがギリギリだったので、お早めのご準備をお勧めします。笑
それでも、決心してから長年の憧れを自分の手にすることは簡単なことではありません。心に決めても、越えなければいけない高い壁が幾つも幾つもありました。TOEFLのスコアを伸ばすこと、ポートフォリオを仕上げること、エッセイを書き上げること、やらなければいけないことは山積みだし、やり方もわからない。しかし、憧れはそう簡単には叶えられるものではないし、簡単にできてしまったら、それは「憧れ」という言葉ほどの大きさや重さは持たないのだと思います。目の前にあるものをひとつひとつクリアしていくことがこの壁を乗り越えるたった一つの方法だと、この受験生活を通して覚えました。
大都会ですから、毎日遊びに行く誘惑は多々あります。それでも今の自分の目標と向き合うこと、苦手なことでも勉強して克服すること、なぜ海外のアートスクールに進みたいのか、エッセイを書くにあたって自己分析みたいなことも改めてたくさんしました。
TOEFLの点も上げなくてはいけなかったし、ポートフォリオのための作品も作らないといけなくて、不安で潰れそうになっていましたが、周りを見ると、同じ志を持った仲間がいて、みんなでその悩みや考えを共有できたので、乗り越えられたと思います。先生にもたくさん相談にのっていただいて、自分の進む先が見えてきました。自分一人では作品を増やすこともできなかったし、どこの学校に行ったらいいのかもわからなかったです。PIの先生のアドバイス、同級生と力を合わせ、目の前の自分のやらなければいけないことをひたすら消化し、当初は考えてもいなかった大学院への入学を叶えることができました。PIなしでの今の生活は考えられないです。
自分のやりたいこと、突き進んでいきたい方向をよく考えて、それでもやっぱり「留学」というワードが頭をよぎるなら、是非挑戦してもらいたいと思います。挑戦してみて得るものは大きいし、挑戦せずに後悔するのは自分で可能性を狭めてしまっているようでもったいないです。まだ、私も道の途中で、これからも越えなければいけない壁は沢山立ちはだかっていますが、こうして夢に突き進む仲間がまた一人二人と増えたら嬉しいです。
.今、大学ではどのようなことをしていますか?
現在、Pratt InstituteでInterior Design MFAを専攻していて、最初の1学期が終わったところです。
私のプログラムでは、デザインのバックグラウンドがなかったり、私のように少しバックグラウンドがある人でも勉強することができて、3年のプログラムになります。スタジオのクラスが週2回あり、その他にヒストリー、カラーセオリー、マテリアルなどの授業などがあります。最初のスタジオのクラスでは、空間デザインの前に、2D、3Dのエクササイズがありました。粘土やワイヤーを使って、工作をし、インテリアデザインというよりfine artに近い課題でした。セメスターの後半ではpublic spaceにおくpavilionの設計や、apartmentの設計をすることができて、ようやくインテリアデザインの勉強をしているという実感が湧いてきたところです。
今思えば、PIで受けていた授業はすべて大学院にいく予行演習だったなと思います。作品を作って、それを講評してもらって、それを修正して次週にまた持ってくる。この繰り返しで大学院のスタジオのクラスも進んでいきます。自分のアイディアを形にすることも難しいし、それをまた英語で説明することも簡単なことではないです。PIでは日本人の先生のアドバイスを借りながら、アメリカ人の先生の授業に臨めるので、そのバランスが良かったかなとおもいます。PIでそのスタイルに慣れていたせいか、現在大学院に入ってから教授とのコミュニケーションで悩んだことはあまりないです。PIでの学校生活は、出願準備だけでなく、その後の大学院の授業にもつながる、最高の準備段階でした。